冤罪とは、一般的には、行っていない犯罪について、有罪の判決が確定した場合のことを指します。広い意味では判決が確定していなくとも、一審や二審で有罪の判決を受けたり、事件の被疑者(俗にいう容疑者)として逮捕されたりした場合、さらにはマスコミなどで被疑者として扱われてしまう場合も冤罪とすることがあります。
近年では、死刑囚として刑務所に入れられていた人が、DNA鑑定の結果に不備があったとして最新の結果無罪になった事件もあり、冤罪という存在が広く知られるようになっています。

冤罪の具体例としては、電車内での痴漢が挙げられます。
電車内での痴漢に関しては、DNA鑑定などの技術の進歩により冤罪に陥ってしまうケースはかつてよりも少なくなっています。けれども一度逮捕されてしまうと無罪の立証をしようとしても、それにかかる膨大な時間や身柄拘束ゆえ、早く社会復帰するために罪を認めて示談を行ってしまうことも多くあります。
冤罪が起きてしまう理由としては、上記のようにその事件に関しての取り調べが行われるなどしている間の拘束期間が長いことなどが挙げられます。刑事事件では逮捕されてから最大3週間以上にもわたって身柄の拘束が続くこともあります。拘束が長引けば勤務先や学校などに知られてしまうなど、社会生活送っていく上での不都合が生じることとなります。
しかし、長期間の拘束から逃れるために事件を認める発言をしてしまうと、その供述は記録され、裁判において被疑者にとって不利な証拠として扱われることとなってしまうのです。裁判になってから否認したとしても、供述記録はすでに提出されていることから、裁判官の心証を悪くするだけでなく、反省していないなどとして量刑にまで影響を与えることもあります。

そうしたことから、身に覚えのない事件の被疑者として取り調べを受けたり、逮捕されたりしたときには一貫して否認し続けることが大切です。またその上で早い段階から弁護士に相談をし、自分にとって有利な証拠を収集するなどして裁判に備えることが大切です。
また、一度有罪の判決を受けてしまったとしても、新たに自分にとって有利な証拠を探し出すことで上訴の裁判で逆転することが出来たり、判決が確定していても、その証拠が判決に重大な影響を与えるものであれば再審が認められたりすることとなります。
以上のように、たとえ冤罪を疑われてしまっても、安易に罪を認めてしまうのではなく、いち早く弁護士に相談することが大切です。弁護士に相談することで、自分にとって有利な証拠を収集してもらい、無罪の立証をしていくことができ、それによって早期の身柄解放も期待できます。

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