触法事件とは刑事事件の中で14歳未満の少年(男女は問わない)が法に触れる犯罪を行った事件のことを指します。触法事件が刑事事件の中で他の事件と一線を画しているのは、14歳未満の少年には刑事責任を問わず罰しないと刑法で規定されているからです。
触法事件においては、通常逮捕されることはありません。これは触法少年を処罰することができないため、処罰を目的とした逮捕や取調べができないためです。
そのため事件の発生後、警察は任意捜査(強制的に逮捕したり身柄拘束して取り調べを行ったりはせずに捜査する)の範囲で事件について調べていくこととなります。
そしてその結果として重大な罪を犯したと考えられる場合は児童相談所に通告、送致することとなります。この時児童相談所は逮捕ではなく一時保護という形で身柄を拘束することとなります。
また児童相談所は送致された少年から話を聞くなどして、家庭裁判所へと送致するかを決めていきます(殺人や傷害致死など一定以上重い罪に関しては原則として家庭裁判所へ送致することとなっている)。
こうして家庭裁判所へと送致されると、家庭裁判所で審判が行われ、児童相談所や少年院に送られて施設での更生を目指したり、保護観察として社会の中で更生を目指したりしていくこととなります。
一般的な未成年事件(ここでは触法事件と対比して14歳以上20歳未満が行った事件)が警察や検察による取り調べの後に家庭裁判所へ送致されるのに対し、警察の捜査の後に児童相談所を経て家庭裁判所へ送致される点、また逆送(家庭裁判所から検察官へと送致されることを指し、多くの場合通常と同様の裁判過程を踏むこととなる)がない点、そして家庭裁判所の審判の結果処罰がない点などが未成年事件の中でも触法事件の特徴として挙げられます。
これらの違いから成年よりも更生に重点が行われる未成年犯罪の中で、さらに更生に重点が置かれていることが分かります。
触法事件とは
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