ひき逃げ事件の時効は何年?成立させない方法は?
ひき逃げの被害に遭ったのに犯人が見つからないまま時間だけが過ぎていくと、時効への不安は募る一方です。
ひき逃げには、加害者を処罰できなくなる刑事の時効と、損害賠償を請求できなくなる民事の時効があり、年数も対応策も異なります。
本記事では、それぞれの時効の年数と、時効を成立させないための方法を解説します。
ひき逃げ事件の刑事の時効は5年から20年
刑事の時効は公訴時効と呼ばれ、期間が過ぎると加害者を起訴できなくなります。
期間は罪の重さに応じて決まり、事故の日から罪ごとに別々に進行します。
けがの場合は5年から7年
負傷者を助けずに立ち去るひき逃げ行為そのものは、道路交通法の救護義務違反にあたり、公訴時効は7年です。
被害者にけがを負わせた点については過失運転致傷罪が成立し、こちらの時効は5年で先に完成します。
事故から5年で致傷罪は問えなくなりますが、7年が経過するまでは救護義務違反として処罰を求める余地が残ります。
死亡事故では10年から20年に延びる
被害者が亡くなった場合、過失運転致死罪の公訴時効は、人を死亡させた罪の特則により10年に延びます。
飲酒や制御困難な高速度走行のような悪質な運転で死亡させた危険運転致死罪では、時効は20年です。
損害賠償請求権の時効と成立させない方法
被害者が加害者に賠償を求める権利にも、民法上の時効があります。
ただし刑事と異なり、被害者自身の行動で時効の完成を防げます。
民事の時効は5年と20年の2本立て
人身損害の賠償請求権は、損害と加害者を知った時から5年、または事故の時から20年で時効にかかります。
犯人不明のひき逃げでは加害者を知ったとはいえないため、事故発生時点では5年の時効は進行しません。
そのため、犯人の発覚から5年、もしくは事故から20年のうちいずれか早いタイミングで時効が成立します。
犯人不明の間は、自動車損害賠償保障法に基づく政府保障事業へ請求して最低限の補償を受ける道もあります。
この請求には事故から3年という期限があるため、犯人捜しの結果を待たずに動くことが大切です。
時効の完成は催告や訴訟で防げる
犯人が判明したら、内容証明郵便で賠償を請求する催告により、時効の完成を6か月間猶予させることが可能です。
その間に訴訟を提起すれば時効の進行は止まり、判決が確定すると権利はあらためて10年間守られます。
加害者が損害の一部を支払ったり支払義務を認めたりする承認も、時効を更新させる事由です。
まとめ
ひき逃げの時効は刑事では罪に応じて5年から20年、民事では5年と20年の2本立てで、犯人不明の間は民事の5年が進行しないという特徴があります。
被害者の側では、政府保障事業への早期請求と、犯人判明後の催告や訴訟によって、補償を受ける道を守ることが可能です。
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吉田 要介よしだ ようすけ / 千葉県弁護士会
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